賃貸物件の原状回復・リフォーム工事は、客付けの観点から見ても決して侮れません。
それは内装一つで、入居率が変わってくるからです。
内装には人それぞれ好みがありますし、賃貸という立ち位置から考えて、どのような内装が好まれるのかを知っておくことで、上手な賃貸経営が可能になります。
この記事では、「賃貸で好まれる内装」と「リフォームの際のポイント」について解説していきます。
万人にうける内装に仕上げる
内装に関しては、人それぞれ好みがあるものです。特に賃貸住宅は、どんな人が入居するかわからないので、万人にうける内装に仕上げる必要があります。
単刀直入にお伝えすると万人にうける内装とは、「統一感と清潔感のある内装」です。
デザイナーズ物件の様な個性的な内装は、前衛的で抵抗感を持つ人もいるので、入居する人を選んでしまう事もあり、万人ウケとはいえません。
ですが一方で、他の物件と同じような「ありがちな内装」に仕上げても、募集の強みにはならない事も事実です。
では、統一感と清潔感を保ちつつ、他の物件と「差別化」できる内装をどう仕上げればよいのでしょうか?
内装のコンセプトを決める
まず、内装のコンセプトを決めましょう。
部屋全体をイメージして、どんな雰囲気の内装に仕上げるのか明確してください。そのイメージを基にクロスや床材の選定を行います。たとえばコンセプトの例として
- 部屋全体を明るく見せる
- シックで落ち着いた印象
- 飽きのこない内装
などがよく多用されますね。
このコンセプトが内装のデザインの軸になります。ここが曖昧になってしまうと、部屋全体の色のバランスや、雰囲気がバラバラなってしまうので、しっかりと押さえておいてください。
どこの施工を優先するか
内装全体をリフォームする資金がある場合はいいですが、限られた予算がある中で、すべての内装を変える事は現実的ではありません。
その場合は、内装の傷んだ個所を優先して部分的にリフォームを行います。
施工面積が小さい場合は、「一式工事」となりますのでその点は注意が必要です。
理由は、一式工事の方が高くつく場合が多々あるからです。
予算を見ながら、本当に施工が必要なのかどうか、しっかりと考えましょう。
リフォームのポイント
リフォームを行うにあたって、内装に関する知識は必要不可欠です。
特にどんな事を、気を付ければいいのでしょうか?
今回は、「クロス」と「床」についてのポイントをご紹介します。
クロス選びのポイント
一概にクロスといっても、「色」「柄」「厚み」など様々です。
クロスを選ぶポイントは、「貼りつける下地の状態に合った物を選ぶ」ように心掛けてください。
下地が浮き出る場合
何度かクロスを張り替えをしている壁は、残った裏紙が凹凸になっていたり、石膏ボードの湾曲などが目立つ場合があります。
解決策として、「分厚く色の薄いものを選ぶ」とそういった問題をカバーする事が出来ます。
柄の主張が強すぎるものは選ばない
アクセントとして使う場合はいいですが、フォーマルで柄の主張が強いクロスは、選ばない方が無難です。
柄が強いと、部屋自体に圧迫感が生まれてしまって、落ち着かない部屋になりまねません。
柄物は、アクセントか天井部分で使う事をオススメします。
奇抜な色は選ばない
赤やオレンジなどの目がチカチカする色合いは、好き嫌いがあるので賃貸ではお勧めできません。
見た感じはデザイナーズ物件の様に見えますが、「入居する人を部屋が選んでしまう」可能性があります。
どうしてもという場合は、貼り付け面積の少ない「クローゼット」や「トイレ」などのアクセントとして使いましょう。
床材選びのポイント
床材には、「クッションフロア」「フロアタイル」が多用されます。
フローリング柄の場合は板幅が120の広いものが人気です。80の細い柄でも構いませんが、一昔前の雰囲気が出るので、できれば幅広のものを選ぶと良いでしょう。
日光による色あせ
クッションフロア、フロアタイルともに日光による色褪せに注意しなければいけません。
浴室や玄関などは心配いりませんが、窓際などは頻繁に色あせします。特に南側や西側に面する窓際は注意が必要です。
濃い色の床材を選んでしまうと、色あせした際に目立ってしまうので、できるだけ「薄く黄色味」の床材が適していると言えます。
表面の質感
クッションフロアによくある事ですが、表面の摩擦が少なく「滑りやすい」ものがあります。
脱衣場やトイレなどでは柄だけでなく、表面の質感も考慮して床材を選んでください。
業者は必ず、メーカーからの見本帳を持っています。床材の選定の際には、必ずチェックしましょう。
まとめ
今回は、賃貸におけるリフォームのポイントについて解説してきました。
冒頭でもお伝えしましたが、「内装で入居率が変わることは紛れもない事実です!」
より速い入居を目指すのであれば、万人に受け入れられる内装であるに越したことはありません。
ですが経営を考えるとコストの観点から、上手にリフォームをする必要があるので、今回のポイントを踏まえた上でリフォームに向き合っていただければ幸いです。